韓国で友達の誕生日ケーキ（センイルケーキ）を特注した話

海の日の連休を利用して、友人5人と韓国（ソウル）にグループ旅行をしました。有給の取れ方に応じて、入国日も出国日もばらばら。コアとなる3連休だけ5人全員が泊まれるAirbnbを予約し、それ以外は個別にホテルを手配。夜ご飯は一緒に食べ、日中の行動は各自行きたい場所に行くというスタイル。withコロナになってから初の友人との海外旅行で、5人の中でも特に旅好き＋調べ物や手配も好きなOちゃんと私が中心となって、旅程の大枠を組むことになりました。

そしてこの旅行、「久々の海外、皆で韓国に行っておいしいもの食べて買い物しまくろう」という主目的とあわせ、裏テーマがありました。実は5人中、Oちゃんと私を除く3人が7月生まれのバースデーガールだったのです。となってはやるしかない、サプライズを。「せっかくなら韓国でしかできないお祝いをしたいね」ということで、オリジナルのセンイルケーキをオーダーすることになりました。

K-POPのオタクの人がよく推しの誕生日にオリジナルデザインをオーダーしていて、前からいいな～かわいいな～と思って見ていたのです。しかし、Oちゃんも私もセンイルケーキのオーダーは初体験。しかも韓国語はまったくと言っていいほどできません。この状況下でオーダーなんて可能なのか！？ 結論から言うと、InstagramとDeepLとKakaoさえあれば何とかなりました！ でも結構大変な道のりだったので、今後同じように「旅行中にセンイルケーキをオーダーしたい！」という方の参考になるように、プロセスを記録しておきます。

まずは「ソウル センイルケーキ オーダー」などで検索し、われわれが探している以下条件に合うお店を探しました。

・オリジナルのデザインで作ってくれる
→せっかくなので店頭で買うのではなく、オリジナルで作ってほしい

・Airbnbまで配送してくれる
→確実に全員が揃うのは、江南にあるAirbnbにチェックインするタイミング。前泊組の私と友人Pちゃんは仁寺洞から、合流組のOちゃんとあとの2人は仁川空港からやってくるので、ピックアップではなく部屋まで配送してもらいたい。それもAM/PMとかでなく、2-3時間幅の指定便で。

すると最初にヒットしたのは、日本語で対応してくれる業者さんでした。早速LINEで友達登録し、インスタで案内されていた依頼書を送信。希望のデザインを送り、時間指定について問い合わせると2時間単位で可能とのこと。楽勝じゃーん♪ と思ったのも束の間、見積もりを取ると、可食ケーキ1点で19,000円でした。ちょっと高くない……！？ そりゃオーダーメイドなので3,000円とかで作れるとは思ってないけど、さすがに予算オーバーです。相場観がわからない……と思いつつ、もう少し考えてみます、と保留。さらに調べを進めます。

今回、日本から実際にオーダーされたというこの方の記事が最も参考になりました。やっぱり頼るべきはオタクの人のはてブロだな……となる私とOちゃん。日本からの注文も配送もOKとのことだったので、記事と同じhugme bakingさんに問い合わせてみることに。

ここでDeepLの登場です。日本からの注文になること、Airbnbまでの時間指定配送をお願いしたいことなどを書いて自動翻訳し、インスタのDMで送信。即レスが来て、配送はBorzo Koreaという配送サービス経由になること、配送料もBorzoで調べた画面のスクショとともに送られてきており、納得のいく価格でした。よし、ここにお願いしよう！ 注文したいケーキのイメージ画像と、簡単なスケッチを送信します。……が、このときのわれわれはまだ気付いていませんでした、ここからの道のりが険しいということに。

バースデーガールの3人はそれぞれ犬飼い・猫飼い、もう一人は最近車を買ったばかり。彼女らの愛犬、愛猫、愛車が並んだケーキにすればいいんじゃない！？ というのが当初からのプランで、簡単なスケッチも描いていました。

が、↑の画像2点をhugme bakingさんに送ると……「すみません、車は……！犬と猫はいいんですが、私、車はちょっと作れないです……！」という返信。ダメなのか、車は……！ 何か方法ないですか！？ と食い下がったところ、「画像を送ってもらってフォトプリントなら……」とのこと。でも、フォトプリントのケーキなら日本にもあるし、ここは3体のトンマナは絶対に揃えたい……。またまた一旦保留にし、どうするか再考します。「平面でイラストのクリームを描いてもらう？」「上に乗せる車だけ、アイシングクッキーとかで別注して日本から持ち込む？」「犬・猫・車型のキャンドルってないかな……」などなど、Oちゃんと2人検索しまくりましたが、クッキーもキャンドルも、車＝パトカーやタクシーなどの「はたらくくるま」モチーフが主流です。うちらが求めてるのはネイビーのテスラなんだよな……。完全に詰んだ。

アイシングクッキーなら、まぁ、完全にオーダーメイドもできなくないから、持ち込んで、シンプルなケーキ買って、クッキーだけ後乗せするか？ あるいはモチーフを再考してオーダーケーキをとるか？ いまいち答えが出ないまま呆然としていたところに、Pちゃんからピコーン♪ とLINEが入ります。「移動日、美容皮膚科の施術入れたから別行動するね～」……ということは、私が仁寺洞→江南に移動の途中でケーキ屋さんでのピックアップが可能！ お店の選択肢もグッと広がります。僥倖！ どこかに車を造形できる神クリーム師はいないか……と、気を取り直してインスタを #생일케이크 で検索しまくり、見つけたのが、弘大の近郊にあるhamny cakeさんでした。

過去の投稿を見ると、クリームで立体のちいかわやクロミちゃんを作ったりもしています。この人の造形力ならテスラもいけるんじゃ？ 概要ページはKakaoにあり、注文方法、サイズやスポンジとクリームの味が細かく選べることなどが丁寧に記されています。またまたDeepLを起動し、カカオトークでお願いしたい内容とスケッチを送ったところ、「動物の全身は去年の夏、身体が崩れちゃった事例があって、頭部だけなら作れます！ けど車はちょっと……」やっぱり車がネック。でもこの人の造形力なら作れる気がするんだよ、やったことがないだけで……！ もうちょっとデフォルメされた車ならいけるんじゃ、と思い立ち、聞いてみました。「モルカーみたいなやつだとどうですか？」「pui pui molcar…⁉」

すると、「これならできます！」という快諾が返ってきました！ ヤッター！！！ 支払いについても当日店頭払いでOKとのこと。国際送金手数料などについても調べていたので、これにはほっとしました。念のため、友人たちがグルチャに送ってくれた愛猫・愛犬・愛車の個別の写真と、改めて描いた色指定つきの清書スケッチを送り、後は当日を待つばかり。クリームケーキを重いキャリーと一緒に地下鉄で運ぶ自信がなかったので、カカオタクシーもダウンロードし、お店の場所もチャットでしっかり確認して、渡韓します。

いよいよ、5人全員が揃う合流日。前泊地のホテルをチェックアウトし、美容皮膚科に向かうPちゃんを見送って移動するはずでしたが……ここでPちゃん、まさかの「美容皮膚科の予約、日程間違えて取ってたわ」という事故を起こします。いや待って。すべての計画が台無しやん。インターネット上ではしごできバリキャリとして見られがちなＰ子、その実態はまじでドジっ子。安国で服を見たいという彼女を、「私ちょっと郊外の山道具屋に行きたいから～」とか何とか言って撒きました。（ちなみに山道具屋に行きたかったのは本当。塩倉のCAYLでウルトラライト系のグッズをいろいろ買ってほくほく）

塩倉からタクシーで加佐駅と弘大のあいだあたりにあるお店へ。外装がかわいくて、通りからでもすぐにわかりました。

ここに神クリーム師が……！ そして、ショーケースの真ん中に青いケーキがあります！ 絶対あれだ！ お店の中に入り、実物とご対面しました。

かわいい～～～！ 再現度高い！ 三毛猫ちゃんのお顔の柄も、別途送った画像にかなり忠実に描きこまれています。天才なの！？ バシャバシャ写真を撮って、仁川についたばかりのOちゃんにも送ります。

店主さんは笑顔が素敵なかわいらしいお姉さんで、サービスでキャンドルが1本つくとのことだったので、種類がたくさんある中から、ケーキに合わせて青と白のバイカラーのものを1本選びました。有料の保冷袋と、お願いしたらマッチもおまけでつけてくれました。支払いもクレジットカードでその場でさくさくでした。

そこからカカオタクシーでそっと江南まで運び、皆より一足先にAirbnbにチェックイン。保冷袋ごと自分の寝室に隠して、全員が揃ったタイミングで、主役3人をソファに座らせてお祝いをしました。めちゃくちゃ喜んでもらえた～～～。その後は動画＆写真の大撮影大会となり、一回冷蔵庫に戻し、翌朝皆で朝ごはんにいただきました。アールグレイ味のスポンジに、クリームは甘すぎないチーズクリームで、それはそれはおいしかった。

以上、韓国で友達のセンイルケーキを特注した話、っていうかほぼクリームでテスラを作ってもらうのが大変だったけど何とかなった話でした。 再現度高く作ってもらえるオーダーケーキ、韓国旅行中のお祝いにはもってこいなので、興味持たれた方はぜひチャレンジしてみてください。

★以下、有料部分はおまけ。今回行った、ソウルのおすすめ！ ご飯・ショッピング・マッサージ・ホテルのアドレスをちょっとだけお裾分けです。